ガンちゃんの絵

五十嵐あい/ 2013,6,9/ アート

 

 

私の生まれ育った伊達市には

伊達紋別駅という駅がある

最近は、私自身駅を利用する機会があまりなくなってしまったのだが

私が学生の頃は隣町の室蘭へ通うのに毎日利用していた。

駅員さんが切符を切ってくれる

何だか味のある駅だった

駅に降りるとまず海の匂いに包まれる

クルクルと風で回る開いた魚を売る店

古びた居酒屋やスナック

碁会所

床屋

昔ながらの書店

大手では無い
雰囲気のあるパチンコ屋さん

緩やかな時間

ノスタルジックな風景がそこにはある。

 

当時は、駅前通りには路地裏と呼ばれるディープな場所があった

お祭りの時には、その路地裏は

異国へ来たかのような 不思議な空間に包まれて

投げ銭のライブや 面白い小物、民族衣装、民族楽器などがならぶ

 

赤い提灯が吊るされた路地は私の大好きな夏のワンシーンだった

 

幼い頃は、駅まで一人旅と称して
散歩をするのが好きだった。

そんな色んな思い出のある駅

 

伊達紋別駅

 

 

 

久しぶりに実家に帰ると 玄関に一枚の絵が飾られていた

見覚えのあるタッチ

すぐに誰の絵か分かった。

ガンちゃんの絵だ。

 

 

ガンちゃんは

駅前でパルと言うこれまた良い雰囲気の喫茶店を経営しながら

絵を描き続けている 画家 井樫 和夫さんだ

 

私は小さな頃よくパルへ遊びに行った

ガンちゃんのお店にはいつも

ガンちゃんの画材道具とガンちゃんの絵が何枚もあった。

 

描きかけの物、人物画、絵と詩が付いている物

お店はガンちゃんのアトリエ

 

ガンちゃんはいつも頭にバンダナを巻いてニコニコ優しい声で

「おっ!あい」と可愛がってくれた。

 

商店街を自転車でゆっくり走るガンちゃん

伊達の駅前で絵を描き続けるガンちゃんの描いた

 

伊達紋別駅